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2012年1 月30日

NO.95-1(メインコラム)権力(Power)について

今週のテーマは「権力(Power)について」です。

年末の各新聞各紙は金正日総書記の葬儀・追悼行事を執り行う“葬儀委員名簿順位を一斉に取り上げました。

後継者:金正恩(キム・ジョンウン)を筆頭とする「名簿順位イコール“権力順位”」という説明です。

 

ちなみに「権力」の言葉の意味を、広辞苑(第6版)で引いてみると次のように出ています。

・他人をおさえつけ支配する力

・支配者が被支配者に加える強制力

つまり権力順位が上の人ほど、 「他人をおさえつけ支配する力が強い」 「被支配者に加える強制力が強い」 ことです。

 

今回は「権力の本質」について、 特に組織における権力の本質について“人事の視点”から考察したいと思います。

まず、組織における権力は次の“3つのPower”によって構成されています。

①人事に関する決定権

②予算統制に関する決定権

③重要事項に対する拒否権

以上の3つです。

 

・社長1人が「3つのPower全てを掌握」している会社もあります。

・院政を引いた会長が「人事に関する決定権だけは決して手放さない」という会社もあります。

・副社長でもなく専務でもない一介の常務がトップに対して「役員人事に関する大きな発言力」を持っているという会社もあります。

・オーナー社長の奥様が経理部長として「予算統制に関する決定権」を行使している会社もあります。

 

組織において、人と権力(Power)の組み合わせ方は組織の数だけありますが、 組織の別なく 人に関して共通する要素が一つあります。

それは何か?

人は「この“3つのPower”に群がる習性を持っている」ということです。

会社社員であれ、政治家であれ、公務員であれ、北朝鮮高官であれ 皆同じです。

そこには名簿順位から見えない権力のリアリティがあります。

 

では最後に、私が辿り着いた「人事を決める“究極の問い”」についてお話します。

それは「この人は誰をハッピーにしたいと思っているのか?」という問いです。

取締役人事から課長人事まで全てこの“問い”の裏に“解”が隠れています。

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Kimo

この人は誰をハッピーにしたいと思っているのか?

2012年1 月23日

NO.94-1(メインコラム)ロートレックに学ぶマーケティング・センス

マーケティング理論は、毎年“新ネタ”が輸入され“古くなったネタ”は忘れ去られます。

浮き沈みが激しさは芸能界並みです。

そんな中、“これは本物”と私が惚れ込んでいる理論が2つあります。

その1つが本日の脇役「マーケティング・マイオピア(近視眼的マーケティング)」理論(1960年ハーバード大学のセオドア・レビット教授が発表)です。

平たく言えば、

「お客様の言うことは何でも引き受けるという近視眼的スタンスに陥ると、市場を見失う。」

「価値提供とは、お客様が気付いていない真の課題を見つけ出しそれを解決することにある」

という考え方です。

さてお待ちかね本日の主役、トゥールーズ=ロートレック(1864 - 1901)を紹介します。

彼は36年の短い生涯において、31枚のポスター、約600枚の油絵、数千枚以上の下絵、素描、スケッチ、および約350枚のリトグラフを残したフランスの画家です。

私は彼のことを「マイオピア理論の教祖」として密かに尊敬しています。

彼の代表作を見てみましょう。

・ムーランルージュから依頼によって作成し、彼を一躍有名にしたポスター

「ムーランルージュのラ・グーリュ」(1891年)

・人気シャンソン歌手 ブリュアン の依頼で作成したポスター

「アンバサドゥールのブリュアン」(1892年)

・ジャルダン・ド・パリの依頼で作成したポスター

「ジャルダン・ド・パリのジャヌ・アブリル」(1893年)

・イギリスのダンス社交場の依頼で作成したポスター

「エグランティーヌ嬢一座」 などなど。

彼は売れっ子ダンサー達の隠しきれない“心の中の人間の業”を一瞬の表情としてポスターに描き出しました。

この “心の中の人間の業”を醜いまでに描き出したポスターに、依頼主や売れっ子ダンサーたちは彼に対してクレームを付けたそうです。

しかし彼は自分の信念を曲げませんでした。

彼の信念とは何だったのでしょうか? 私はこう考えます。

大衆は誰もが“心の中の人間の業”を見たがっている。

街中の誰もがこのポスターに目を奪われ、実物の売れっ子ダンサー見たさに店に殺到する。

ロートレックの作品は私たちに問い掛けます。

お客様の要求に100%答える」という罠に陥っていないか?

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Kimo

マイオピアの罠!

2012年1 月20日

NO.93-3(NO.93-1関連その2)世界観

今回(93-1のメインコラム)の関連資料としてご紹介するのは、「世界を知る力」(寺島 実郎 著)です。

寺島氏は著書の中で

『 「日米関係は米中関係」として展開されてきたのである。 』と自身の世界観を述べています。

 

アナタはどう考えますか?



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                     「世界を知る力」(寺島 実郎 著)

 

☑戦後の日本人がとらわれてきた「アメリカを通してしか世界を見ない」という固定観念、世界認識の鋳型には、ある意味、「便利な」側面があった。それは、自分自身が考えなくても、アメリカが代わりに、たとえ歪んだものであっても、ある程度まとまった世界の見方を提供してくれた点である。いま、アメリカの世界認識から脱却することは、わたしたち自身が自ら観察し考えることを要求する。

 

☑日本の貿易構造の変化は、バブル期以降、いかに対アメリカの貿易が相対的に減少し、対中華圏の貿易が拡大していったか、一目瞭然である。直近の2009年1~9月を見ると、すでに、アメリカの比重は全体の14%以下にまで落ち込んでいるのに対し、中国の比重は20%強、大中華圏の比重は30%強、アジアの比重は49%まで達している。日本が対米貿易で飯を食っていたのも今は昔。すでに大中華圏を中核とするアジアとの貿易で飯を食っている時代に入っているのである。

 

☑「アメリカについていくしか日本の選択肢はない」という思い込みは二十一世紀にも受け継がれ、「9.11」という衝撃的な事件に遭遇することで、アメリカに対する過剰依存・過剰期待はさらに膨張していくことになる。その結果、イラク戦争へ加担し、金融資本主義の歪みまでも共有する国へと日本は変わっていくのである。日本は九十年以降ほぼ二十年間にわたって、冷戦後の世界を見つめる視座をもたないまま、「漂流」に次ぐ「漂流」を重ね、思考停止状態に陥ったのだった。「アメリカの一極支配」的万能感は潰え去った。あたかも、ソ連が崩壊して社会主義者たちが「ご本尊」を失ってしまったように。

 

☑わたしたちは、二十世紀初頭から続いた密接な米中関係があったからこそ戦中の悲劇的な日米関係がもたらされたこと、そして、戦後に米中関係の混乱があったからこそ日米同盟がもたらされたことを忘れてはなるまい。まさに、「日米関係は米中関係」として展開されてきたのである。ところが戦後の日本人は、いつの間にか、「アメリカのアジア政策は常に日本を基軸とする」という幻想にとりつかれてしまった。

 

☑冷戦後二十年が過ぎようとしているのに、冷戦型の駐留が固定化している事実は注視せざるをえない。これは、歴史的に見てもきわめて異常な事態である。しかも、日本は現在も、米軍駐留コストの七割を負担しているのである。反米でも嫌米でもない形で、アメリカとの「大人の関係」を構築する時、はじめて日本は、国際社会からも「自立した大人の国」として認められるのではないか。欧州においてイギリスは、アメリカの主張や利害を大陸欧州につなぎ、大陸欧州の意向をアメリカにつなぐ役割を担っているが、日本も、こういった役割を、アメリカと中国・アジアに対して担うべき時にきている。

2012年1 月18日

NO.93-2(NO.93-1関連その1)世界観

今回「93-1(メインコラム)の関連その1」として、ご紹介するのは、「日本人へ リーダー篇」(塩野 七生 著)です。

 

塩野さんはユリウス・カエサルの言葉を紹介しています。

カエサル曰く「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと思う現実しか見ていない」 と。

 

「世界観は10人10色です。 自分流に節目節目で修正すればいい」と私は思います。



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                     「日本人へ リーダー篇」(塩野 七生 著)

 

☑ユリウス・カエサルは、二千年以上も昔に次のように言っている。「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと思う現実しか見ていない」では、二十一世紀に突入した今現在の現実は何だろう。

①結局は軍事力で決まるということ。 ②アメリカ合衆国への一極集中。 ③国連の非力。④日本の無力。これこそが、「見たいと思わなくて見るしかない現実」であって、それが今、話し合いによる解決、アメリカへの一極集中を排する多極化、世界の諸問題の解決の場としての国連、世界平和に貢献する日本、等々の「見たいと思ってきた現実」を突き崩してしまったのである。

 

☑危機の打開に妙薬はない。ということは、人を代えたとしても目ざましい効果は期待できないということである。やらねばならないことはわかっているのだから、当事者が誰になろうと、それをやりつづけるしかないのだ。「やる」ことよりも、「やりつづける」ことのほうが重要である。なぜなら、政策は継続して行われないと、それは他の面での力の無駄使いにつながり、おかげで危機はなお一層深刻化する、ということになってしまう。失われた十年というが、あれは、持てる力を無駄使いした十年、であったのだ。

 

☑なぜか危機の時代は、指導者が頻繁に変わる。首をすげ代えれば、危機も打開できるかと、人々は夢見るのであろうか。だがこれは、夢であって現実ではない。三世紀に入ったとたんに、ローマの軍事力が弱体化したのではない。経済力が衰退したのでもなかった。皇帝の交代が激しく、在任期間が短く、それゆえに政策の継続性も失われることによる力の浪費の結果として、生れてきた現象なのである。政策の継続性の欠如こそが三世紀のローマ帝国にとって、諸悪の根源であったのだった。

 

☑ゲームの卓に坐るからにはプレーヤーたちはカードを持たねばならないが、国際政治はトランプとちがって、カードではなく剣を両脇に差している。カードは自分には見えても他者には見えないが、剣ならば誰にも見えるからである。その剣だが、切れ味の良いほうからあげていくと、①拒否権をもっていること。②常任理事国であること。③海外派兵も可能な軍事力。④核をもっていること。⑤他国に援助も可能な経済力。このように、剣は五本すべてを差していないかぎり、国際政治の世界では主役にはなれない。

日本は経済力という剣しか差していない。仮にイラク問題で国連が軟化し、それを格好の口実にしたフランスが態度を変えるとする。となるとアメリカは、日本などそっちのけでフランスにすり寄るだろう。アメリカにとっては、五本の剣を差しているフランスのほうが“使いで”があるのだから。また、国際政治の世界では、中国のほうが日本より威力があるのも当然のことなのだ。

2012年1 月16日

NO.93-1(メインコラム)世界観

先日「世界国勢図会」(2011/2012版)を見ていたとき、ある数字に目が止まりました。

(「世界国勢図会」は ほとんど表とグラフで構成されているため、眺める感じで楽しめます。)

それは2009年度の国別輸出実態を集計した数字です。

その中から中国とアメリカに目と向けると、

中国の輸出実績(百万ドル)                アメリカの輸出実績(百万ドル)

第一位:アメリカ221,384(18.4%)      第一位:カナダ: 204,728(19.4%)

第二位:(香港) 165,261(13.8%)             第二位:メキシコ:128,998(12.2%)

第三位:日本    98,045(8.2%)                第三位:中国:   69,576(6.6%)

第四位:韓国    53,639(4.5%)                第四位:日本:   51,180(4.8%)

第五位:ドイツ   49,943(4.2%)                第五位:イギリス 45,714(4.3%)

合計     :1,202,047(100%)                   合計:    1,056,900(100%)

どうですか?

緊張感が漂う米・中両国ですが、この両大国、

経済関係においてはいつの間にか切っても切れない関係であることが伺いしれます。

たまたま目にした何気ない数字で、自分の“世界観”が少し変化しました。

 

広辞苑(第6版)で

「世界観」を引くと『世界を全体として意味づける見方。人生観より包括的』と出ています。

 

さて「世界観」。 

私になりの解釈は次の通りです。

 

World】:世界の潮流(世界観)⇔【Asia】:アジアの潮流(アジア観)⇔【Japan】:日本の潮流(日本観)⇔【Part】:自分の役割(仕事人として、市民として、家族人として、会社人として・・・・・)。

そして【Part】:自分の役割の 源となるのが 【Value】:自分の価値観(人生観)  です。

 

それぞれの言葉の頭文字を取って “WAJPVサイクル” と私は命名しています。

(世界>アジア>日本 という順序は、エリアと言う“より大きな枠組み”からという主旨です)

 

私は 悩む相談者に “WAJPVサイクル” を問います。

「アナタの世界観を教えてください?」

「その世界観の中で、この先アナタはどんな役割を担っていきますか?」

ちなみに、私は自分の役割を

『この国の35歳~55歳の3500万の人たちを イキイキ ワクワク させること。』

と決めました。これ けっこう気に入ってます(笑)。

思いを回らせていると いつの間にか“いつもの枠組み(「うちの会社、うちの上司」「うちの主人、うちの妻」・・・。)”が頭の中から 消えてます。

アナタの “WAJPV” はどうですか? サイクル回っていますか?

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Kimo

 

  ”いつもの枠組み”から踏み出す!