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2012年8 月31日

NO.119-3(NO.119-1関連その2)歴史を考える

今回(119-1のメインコラム)の関連資料としてご紹介するのは、「昭和と日本人 失敗の本質」(半藤 一利 著)です。

 

「歴史は、グルーが示唆した方向に動いたことは、すでに知られているとおりである。」 と半藤氏は述べています。

 

近代史から学ぶ貴重な教訓の1つです。

 

「昭和と日本人 失敗の本質」(半藤 一利 著)

 

■太平洋戦争がはじまると、独裁者としての天皇観はいっそう加速されて大きくなった。昭和17年、豪州で刊行されたパンフレット「日本が神と呼ぶ人間」(W・J・トマス著)には、「ヒロヒトは七千万人の日本国民によって崇拝されている。・・・この天皇の“神性”が日本国民の生命の主要因である。天皇の名において政治的暗殺が栄光視され、残虐行為が正当化され、世界の征服が宗教的信念にまで高められているのである。・・」 と、神としての天皇の名のもとに、全世界を相手に戦いはじめた大日本帝国の姿が率直に語られている。

さらに興味深いデータがある。昭和19年4月の「フォーチュン」誌が行った世論調査“日本国民にとって天皇とは何か”にたいして、読者はこう回答している。

・唯一の神である(44.2%)、名目の飾り(18.6%)、独裁者(16.4%)、英国流の国王(5.7%)、

無回答(15.1%)、

それだけに、戦争も末期になってくると、日本の降伏をめぐって天皇をどう扱うべきかの問題が、世界各国の政治家や知識人によって熱心に討論されたのは、むしろ当然であったろう。天皇制存続にたいし反対の態度を表明するものには、アチソン、ヴィンセント、ホーンベック、ラティモア教授らがいる。

 

■また、昭和20年6月29日のギャラップ調査によれば、

・天皇を処刑せよ(33%)、裁判にかける(17%)、終身刑を科す(11%)、外国へ追放(9%)、

そのまま残す(4%)、操り人形に利用(3%)、

と、これもかなりきびしい意見が出されている。

これらにたいして頑強に抵抗したのが、国務次官となったジョセフ・C・グルー(開戦時の駐日大使)なのである。混乱を起こさずに日本を終戦に導くためには、天皇の名による公布以外にはないと、グルーはその存続を強く主張しつづけた。「もしいま日本国民にたいして、完全な敗北を喫し、将来二度と戦争をしかける力を奪われた上は、日本の将来の政治形態については日本国民の手で決定することが許される旨を、なんらかの形で通告すれば、日本国民は面目を失墜せずにすむわけである。その保障なしに降伏はきわめて考え難い。」。これに同調するものに、ドウマン、バランタイン、ボートン、ブレイクスリー教授らがいた。歴史は、グルーが示唆した方向に動いたことは、すでに知られているとおりである。連合国側が天皇制の廃止を要求するような厳しい条件をださなかったゆえに、天皇の終戦の詔勅によって、「承詔必謹」の名のもとに戦争は終結した。終戦時に滞日中であったドイツ人記者K・H・アプスハーゲンは、日本降伏の様相をこう書いた。「天皇は、降伏命令を出すにさいし、軍部が服従するための心理的条件がそろっている絶好の瞬間をとらえたのである。日本国民は1億玉砕をせずにすんだことにたいし、天皇に感謝せねばならない」。ほんとうによくぞあそこで終戦になったと思う。日本国民はグルーたちの努力と外交的見通しにも感謝しなければならない。カーチス・ルメイになんか勲章をあげるよりも、グルー以下の人々に最高の勲章をあげるべきである。

2012年8 月29日

NO.119-2(NO.119-1関連その1)歴史を考える

今回「119-1(メインコラム)の関連その1」として、ご紹介するのは、「人生の鍛錬 小林秀雄の言葉」(新潮社 編)です。

 

小林秀雄氏は言います 「歴史の最大の教訓は、将来に関する予見を盲信せず、現代だけに精神的な愛着を持った人だけがまさしく歴史を創って来たという事を学ぶ処にあるのだ。」と。

 

「人生の鍛錬 小林秀雄の言葉」(新潮社 編)

 

☑自分の本当の姿が見附けたかったら、自分というものを一切見失うまで、自己解析を続ける事。中途で止めるなら、初めからしない方が有益である。途中で見附ける自分の姿はみんな影に過ぎない。自分というものを一切見失う点、ここに確定的な線がひかれている様に思う。こちら側には何物もない。向こう側には他人だけがいる。自分は定かな性格を全く持っていない。同時に、他人はめいめい確固たる性格であり、実体であるように見える。こういう奇妙な風景に接して、はじめて他人というものが自分を映してくれる唯一の歪んでいない鏡だと合点する。(「手帖Ⅰ」)

 

☑歴史は将来を大まかに予知する事を教える。だがそれと同時に、明確な予見というものがいかに危険なものであるかも教える。歴史から、将来に腰を据えて逆に現代を見下す様な態度を学ぶものは、歴史の最大の教訓を知らぬ者だ。歴史の最大の教訓は、将来に関する予見を盲信せず、現代だけに精神的な愛着を持った人だけがまさしく歴史を創って来たという事を学ぶ処にあるのだ。過去の時代の歴史的限界性を認めるのはよい。併しその歴史的限界性にも拘らず、その時点の人々が、いかにその時代のたった今を生き抜いたかに対する尊敬の念を忘れては駄目である。この尊敬の念がない処には歴史の形骸があるばかりだ。(「戦争について」)

 

☑一体、現代人は、人間の覚悟というものを、人間の心理というものと取り違える、実に詰らぬ癖があります。覚悟というのは、理論と信念とが一つになった時の、言わば僕等の精神の勇躍であります。(「事変の新しさ」)

 

☑天職という言葉がある。若し天という言葉を、自分の職業に対していよいよ深まって行く意識的な愛着の極限概念と解するなら、これは正しい立派な言葉であります。今日天職という様な言葉がもはや陳腐に聞こえるのは、今日では様々な事情から、人が自分の一切の喜びや悲しみを託して悔いぬ職業を見附ける事が大変困難になったので、多くの人が職業のなかに人間の目的を発見する事を諦めて了ったからです。これは悲しむべき事であります。(「私の人生観」)

 

☑答えを予想しない問いはなかろう。あれば出鱈目な問いである。従って、先生の問いに正しく答えるとは、先生が予め隠して置いた答えを見附け出す事を出ない。(中江)藤樹 に言わせれば、そういう事ばかりやっていて、「活発融通の心」を失って了ったのが、「今時はやる俗学」なのであった。取戻さなければならないのは、問いの発明であって、正しい答えなどではない。今日の学問に必要なのは師友ではない、師友を頼まず、独り「自反」し、新たな問いを心中に蓄える人である。(「本居宣長補記Ⅰ」)

2012年8 月27日

NO.119-1(メインコラム)歴史を考える

今週のテーマは「歴史を考える」です。

先月、7月16日、滋賀県の「安土城跡」に行きました。

前々から一度行きたいと思っていた場所で、今回が私の「信長探訪の旅」の最終章となりました。

 

『歴史とは勝者が作るもの。勝者は敗者と死者の痕跡を消し、起きたことを自分に都合よく解釈し、それを正史とする。』

 

この言葉通り「信長訪問の旅」は行く度ごとに、

「信長の痕跡が微塵も残っていない!」という空しさ(虚しさ)を味わいます。

簡単にこれまでの訪問地を紹介します。

 

・「桶狭間の古戦場跡」:(現)愛知県豊明市に位置する1560年の戦い。

今は住宅街にある小さな公園。ここが古戦場だと知らなければ誰も気付くことのない場所。

 

・「長篠の古戦場跡」:(現)愛知県新城市に位置する1575年の戦い。

今は広大な農地。当時の面影はない。昔は馬の骨が発掘されることがあったとのこと。

 

・「清州城跡」:(現)愛知県清須市に位置する城跡。

⇒1609年、家康の命により名古屋に遷府し廃城。今はコンクリートで資料館として復元。

 

・「本能寺跡」:1582年に本能寺で起こった戦国時代最大の事件。  

⇒「本能寺の変」後に秀吉が寺を移転する。今は小学校。近くの住民もその場所を知らなかった。

 

・「小谷城跡」:(現)滋賀県長浜市に位置する1573年の戦い。

⇒琵琶湖の雄大な景色を見ながら、今は岩と石だけが残る浅井長政の居城跡に昇る。

 

そして今回、ついに信長の居城であった「安土城跡」を訪れました。

JR「安土駅」に到着。改札口を出て辺りを見回すと、楽市楽座の賑わいは遥か昔、

今は飲食店が数件、レンタル自転車店が2件だけという寂れた駅前でした。

 

安土桃山時代の前半の安土は織田政権の時代、後半の桃山は豊臣政権の時代を指しますが、

時代の冠に地名が付く府として安土ほど寂れてしまった所は無いと思います。

(時代の冠に地名が付く府の例) 「江戸」 「京都の北小路室町」 「平安」 「奈良」 など。

 

安土駅から自転車で安土城跡のふもとに到着。

そこから500段弱の石段を登り、 ようやく天主跡に到着。全身汗びっしょり。

 

今は礎石だけが残るひっそり静まりかえった天主跡に立ち、五感を澄ます。すると、

遠く離れた東海道線の線路から届くガタン、ガタンという“電車”の音、

広大な琵琶湖から吹き上げるヒュー、ヒューという“風”の音、

遥か天空からピーヒョロロ、ピーヒョロロという“とび”鳴き声、

が聞こえてきます。

あとは何もなし。

「お~い 信長ぁ~、どこなんだぁ~、君は本当に実在したのかぁ~」

2012年8 月10日

NO.118-3(NO.118-1関連その2)我社の行動指針

今回(118-1のメインコラム)の関連資料としてご紹介するのは、 「部下を、暗闇の中で働かせていませんか?」(柴田 陽子 著)です。

 

この書籍には、「行動指針をメンバーに落とし込むための具体的な手順」が示されています。

 

ぜひご覧ください。

 

「部下を、暗闇の中で働かせていませんか?」(柴田 陽子 著)

 

☑チ-ム(又は会社)の「ビジョン」が必要な理由。

(1)「このチ-ムは何を目指しているのか?」「自分の能力はどう生かせるのか?」「どうしたら貢献できるのか?」を一生懸命考えている社員に対して失礼だから。

(2)ビジョンを全員で理解、共有した時、チ-ムは一致団結、一つの目標のために判断し、行動できるようになるから。

(3)ビジョンを語ること、それを言い続けることにより、作業や業務に意味や意義が与 えられ、モチベ-ションが格段に上がるから。

(4)ビジョンを語ること、それを言い続けることにより、だんだんとチ-ムにカラ-が出て、チ-ムの文化や風土が生まれるから。

(5)ビジョンを語ること、それを言い続けることにより、チ-ムが勝ち残っていくためのブランド価値、差別化戦略を構築するから。

 

☑「ビジョン」を作成する。

⇔「ビジョン」は、みんなの太陽であり、将来実現したいチ-ムの未来の姿です。

(1)リ-ダ-としての価値観や意思を整理してみる。

(2)自分のチ-ムのこと、競争相手のことを研究してみる。

(3)チ-ムのメンバ-の意見を聞いてみる。

(4)できたビジョンを分かりやすく魅力的な「言葉」にしてみる。

(5)「そのココロは?」の部分を、説明文としてビジョンを下に補足。

 

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☑ビジョンを達成するための「行動指針」を作成する。

⇔「行動指針」は、ビジョンを達成するためにメンバ-同士で大切にしたい価値観。

(1)リ-ダ-自身が大切にしている「自分の価値観」を羅列してみる。

(2)ビジョンと照らし合わせて、5つぐらいに絞り込む。

(3)ビジョンと合わせてブックにまとめる。

 

↓↑

 

☑行動指針を具体的な考え方や行動に落とし込んだ「スタンダ-ド」を作成する。 ⇔「スタンダ-ド」は、チ-ムのメンバ-として、これを絶対のものとして動いてほしいと思う具体的な考え方、価値観、判断基準、習慣、身だしなみ をまとめたもの。

 

↓↑

 

☑「スタンダ-ドチェックプログラム」を作成する。 ⇔スタンダ-ドが本当に実現するように、計画的にチェックする仕組みに落とし込む。  抜き打ちでチェックしたり、出来ていない項目を怒ったり、減点したりするのでなく   チェックスケジュ-ルをメンバ-で共有し、出来ていることを褒める文化を醸成する。

2012年8 月 8日

NO.118-2(NO.118-1関連その1)我社の行動指針

今回「118-1(メインコラム)の関連その1」として、ご紹介するのは、 「9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方」(福島 文二郎 著)です。

 

ディズニーの行動指針の優先順位。ぜひご覧ください。

 

「9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方」(福島 文二郎 著)

 

■行動指針があっても、優先順位がはっきりしていないと、仕事の効率や生産に悪影響を与えたり、会社のイメージを著しく損なうことがあります。というのも、たとえば行動指針にうたわれている「迅速性」と「確実性」のいずれかを選択しなければならないようなケースが必ず出てくるからです。そのため、同じ社員でも、行動にバラツキが出てしまいます。また社員によって優先順位が異なるというケースも出てくるでしょう。それが、お客様との対応のなかで出てしまうと、お客さまを混乱させ、お客さま離れの一因となる可能性があります。そのようなことを避けるためにも、行動指針の優先順位をはっきりさせておくことが非常に大切なのです。ディズニーの行動指針の優先順位は、次のとおりです。

①安全性(Safety)

②礼儀正さ(Courtesy)

③ショー(Show)

④効率(Effciency)

 

■ディズニーには「すべてのゲストがVIPである」という理念があります。つまり、VIPに対するように、すべてのゲストに対して礼儀正しく接する、それも、単なる礼儀正しさではなく「親しみのある礼儀正しさをもつ」ことが、「安全」に続くディズニーの行動指針です。具体的には、次の3つを実行することが求められます。

①笑顔

②挨拶

③アイ・コンタクト(相手の目を見て対応する)

そして、「ゲストの望みにこたえる」「相手の立場に立って考え、行動する」 ということも大切になります。

たとえば、ゲストの記念写真を撮ってあげる、ゲストが重い荷物をもっていれば、もってあげるなど、キャストが自ら声をかけ、ゲストの望みをかなえるために、ゲストの負担を少しでも軽減するために行動しようということです。

 

■後輩を自立させるには、上司・先輩が後輩の自主性を尊重する姿勢・器量をもつことが必要です。ひとつ例をあげてみましょう。トレーナーの大きな役割として、後輩キャストのトレーニングがあります。このカリキュラムを組んでいるのも、トレーナーなのです。補助教材のマニュアルにも、トレーナーの意見が反映されています。会社はもちろん、上司や先輩が、トレーナーたちの自主性を尊重し、自由に考え行動できる裁量を与えているからです。ただ、上司・先輩も、基本的な方向性やルールについては、しっかり見ています。たとえば、行動方針や行動指針を守っていないようだと、カミナリを落とします。 いずれにしても、ディズニーの強み・素晴しさは、アルバイト1人に至るまで、リーダーシップをもち、自主的・主体的に仕事に取り組んでいることにあります。