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2013年1 月 7日

NO.133-1(メインコラム)天職をさがして

今週のテーマは「天職をさがして」です。

 

日本人は、Vocationという単語を“天職”と訳しました。

ちなみに Vocation を辞書で引いてみると

the feeling that the purpose of your life is to do a particular type of work,

especially because it allows you to help other people.

と出ています。

この“the フィーリング” の感覚を味わうために、 向田邦子さんの短編「手袋をさがして」をご紹介します。

“天職”を“手袋”に置き換え、 「自分の手に合う手袋を探し続けた向田さん自身の半生」を題材にした作品です。

 

向田さんは実践女子専門学校を卒業後、社長秘書の職に就きます。

しかし、仕事にしっくりこないものを感じ、自分は何をしたいのか、何に向いているのか。 何をどうしたらそれが見つかるのか。苛立ちを抱えていました。

そんな向田さんを心配した彼女の会社の上司は「そんなことでは女の幸せを取り逃がすよ」と彼女に忠告します。

当時(1950年代)の女性の生き方は、結婚して仕事を辞め、家庭に入るのが普通だったのです。

しかし向田は、その晩考え抜いた結果、「自分のしたいことに正直に生きていこう」と決心します。

 

(本文より)

『今、ここで妥協して手頃な手袋で我慢をしたところで、結局は気に入らなければはめないのです』

 

ほどなく彼女は、映画雑誌の編集部へ転職し、仕事の傍ら脚本を書き始める。

自分の好きなことが見え始めた彼女は、31 歳で会社を辞め、ついにフリーのライターになりました。

安易な道を選ばず、自分が好きなことを仕事にしようという強い意志と覚悟を感じます。

 

(本文より)

『世間相場からいえば、いまだ定まる夫も子供もなく、死ぬときは一人という身の上です。これを幸福とみるか不幸とみるかは、人さまざまでしょう。私自身、どちらかと聞かれても、答えようがありません。ただ、これだけはいえます。自分の気性から考えて、あのとき・・・22歳のあの晩、かりそめに妥協していたら、やはりその私は自分の生き方に不平不満をもったのではないか・・・。いまの私にも不満はあります。(中略) でも、たったひとつ私の財産といえるのは、いまだに「手袋をさがしている」ということなのです』

 

どうですか? 

生涯を掛けて自分にぴったり合う手袋を探し続けた向田邦子の半生。

私は、「手袋をさがして」の中で一番感じたのは、“さがす”という動詞の重みです。

『間違っているかもしれないが、決意して 行動してみる。 もしフィットしなければ また修正して 行動すればいいではないか!行動しなければ何も分からない。』という意味を含んだ重みです。

“自分さがし”に夢中になっている若者たちに読ませたい短編です。

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