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2014年5 月30日

NO.180-1(メインコラム)私の人生に影響を与えた1冊の本

今回のテーマは「私の人生に影響を与えた1冊の本」です。

 

「人に薦めたい一押しの1冊は何ですか?」 と聞かれれば、

それはエイドリアン・ベジャン著作

『流れとかたち 万物のデザインを決める新たな物理法則』です。

と私は即答します。

 

万物のデザインを決める新たな物理法則とは、

著者が提唱する「コンストラクタル法則」のことです。

コンストラクタル法則について一言で説明すると、

有限大の流動系が時の流れの中で存続する(生きる)ためには、

その系の配置は、中を通過する流れを良くするように進化しなくてはならない

というものです。

つまり、

地球上のすべてものは、自らを進化するために、よりスムーズに流れるように形作られていく。

そして、

その流れることの自由が妨げられると、その進化が止まってしまう。

と言うことです。

 

これは、万物に共通する法則であり、今まで“もやもや”していた現象全てに合点が行くのです。

例えば、

●生き物の体の形を決めるのは 血液、リンパ、酸素、ブドウ糖 の流れ です。

●川の形を決めるのは 水の流れです。

●組織の形を決めるのは 人と人の間のエネルギー、情報 の流れです。

●家族の形を決めるのは 愛情の流れです。

そして いずれも その流れ が妨げられると 進化 が止まります。

 

我々が考えるべき一番重要なことが見えてきます。

キーワードは「流れ」です。

ポイントは「流れをよりスムーズにするにはどうすれば良いのか?」を常に考えることです。

 

著者エイドリアン・ベジャンは以下の事例を「コンストラクタル法則」によって解明しています。

●なぜ脳細胞や肺胞、血管は、河川や空港施設と同じように樹状にデザインされていくのか?

●なぜ鳥や魚が群れで動くときには、V字の隊列をとるのか?

●なぜ胴が長いアジア人は泳ぎが早く、足が長いアフリカ人は走るのが早くなるのか?

●なぜ組織は、フラットになったといわれつつも、ピラミッド型で情報が流れていくのか?

●なぜ大学のランキングは、大きく変わることがないのか?

 

そして最後にこう締めくくっています。

「世界を動かすのは愛やお金ではなく、流れとデザインである」と。

 

私にとって、まさに目からウロコの衝撃の1冊でした。

是非読んでいただけたらと思います。

2014年5 月18日

NO.179-1(メインコラム)『模擬「プー太郎体験」のすゝめ』

今回のテーマは『模擬「プー太郎体験」のすゝめ』です。

 

私ごとですが、今から12年前、46才の時、立ち上げた事業を売却したあと

心身ともに疲れ切り 体に力が入らない 気力が湧かない という抜け殻の状態となりました。

仕事なし、収入ゼロ、貯金ゼロ、有るのは借金だけ、

遂には 滞納していた固定資産税の督促状(差し押さえ)が届くと言う有り様でした。

そう 私は プー太郎 だったのです。

そこで、支出をギリギリまで切り詰めるため、これまで気にも掛けていなかったこと、

①自分は、いったい何に「お金」を使っているのか?

②自分は、生きていくためには、1か月にギリギリどれだけ「お金」が必要なのか?

について確認する必要に迫られました。

 

まず、「削れない固定費」がありました

・毎月引落される住宅ローン

・毎月自動送金される子供の養育費

 

次に「削ることを工夫する」を「楽しみ」に置きかえるものを決めました

・車を売却して、「徒歩」「自転車」で自宅から半径10km圏の地理・歴史の探索をすることに

・生命保険契約を全て解約して、朝の「青汁」と「ストレッチ体操」で健康を増進することに

・新聞の購読契約を止めて、「その日読みたい記事が掲載されている新聞」を売店で買うことに

・お酒は外で飲むことを原則止めて、自分の好きなブランドのお酒を自宅で飲むことに

・食事は外で食べることを原則止めて、旬の安い食材(「野菜」「魚」)で自炊することに

・見栄を捨て、冠婚葬祭費を止めました(理由を付けて欠席)。

 

最後に「生来染みついた嗜好、価値観」により止められないものがありました

・1日2箱のタバコ代

・週2冊の書籍代

 

そう、私は、このプー太郎を経験し、自分の一面を発見したのです。

①自分には、「削れない固定費」があること

②自分には、「お金が無いことを楽しむことが出来る領域」があること

③自分には、「本能的に止めることが出来ない領域」があること

 

それでは、最後に本日の一言。

『現役の内に、模擬でプー太郎を体感しておくべし!』。

 

人生90年時代。長い人生を乗り越える智慧を 模擬プー太郎体験がもたらしてくれます。

(後記)

私は、6年前に脳梗塞を患い、やっとタバコと縁を切ることが出来ました。(苦笑)

2014年5 月 2日

NO.178-1(メインコラム)決断学

今回のテーマは「決断学」です。

 

決断学とは何か?

私は「複数の選択肢の中から1つを選び、他の選択肢を捨てることを考える学問」と定義しています。

今回この決断学を、映画の中のワンシーンから紐解きます。

その映画のワンシーンは、 ジブリ映画「風立ちぬ」の中に出てくる、ゼロ戦を牛車で運搬する場面です。

当時の陸軍は、ゼロ戦を、名古屋の南端の工場(堀越二郎が勤務していた)から48キロ離れた岐阜県の飛行場(現在の各務原市)まで48時間掛けて「牛車」で1機1機 運搬していました。

吉村昭の「零式戦闘機」(新潮文庫)の中に、なぜ「牛車」を使ったか?その理由が述べられています。

『牛車以外の運搬方法は、むろん試みられた。トラックでは約2時間、馬車では12時間でそれぞれ運搬できたが、名古屋市内をはずれると道は極端に悪くなる。その凹凸の多い悪路をトラックで走らせると、そのはげしい震動で積まれていた機体は、すっかり傷ついてしまう。馬車の使用も考えられたが、馬は時に暴走する危険もあるという意見もあって、その使用は断念しなければならなかった。』と。

 

ではまず、この決断プロセスを推測してみましょう。

決断=前提×価値観・信念×情報×リーダーの胆力

「前提」:◎工場と飛行場は48km離れている。

「価値観・信念」:◎安全>時間。◎ゼロ戦は世界一の戦闘機、グラマンに敗れる理由がない。

「情報」:◎安全度は、牛車>馬車>トラック。◎ゼロ戦の設計上の機密はアメリカに漏洩していない。

「決断」:◎複数の運搬手段の中から牛車を選び、他の選択肢を捨てた。

 

こうして、日本がゼロ戦1機1機を48キロ離れた飛行場まで、牛で運搬していたころ、

敵国アメリカは、既にゼロ戦の機密を100%解析し終わっており、 飛行場に隣接した工場で改良型グラマンを大量生産していました。

 

次に、この決断プロセスを決断学的アプローチで☑してみましょう。

「前提」:◎前提そのものを疑うレベルまで踏み込み、議論を尽くしたか?

「情報」:◎敵味方両方に関して徹底的に収集し、議論を尽くしたか?

「価値観・信念」:◎全メンバーが己の価値観・信念を開示し、議論を尽くしたか?

そして最終決断したリーダーに、どれほど胆力があったか?

 

どうでしょうか? 

戦争の悲惨な結末を知っている私たちにとって、

この牛車のシーン、あまりにも悲しすぎますね。

さて今回の“まとめ”を一言で表現します。

『決断学は最強の学問です。』