NO.204-1(メインコラム)
仕事の定義
今回のテーマは「仕事の定義」です。
「仕事」=「職業」+「無償の仕事」
これは、法政大学キャリアデザイン学部 初代学部長 笹川孝一氏(現同部教授)が提唱する
「仕事の定義」です。
氏は自らの著書の中で次のように述べています。少し長いですが引用します。
『“無償の仕事”では、自分の仕事が誰の役に立っているのかが明快だという点にある。
自分の居場所や役割、能力の発揮、絆が見えやすく、「生きている実感」が得られ、
「自己家畜化からの脱皮」が促されるからである。
“交換価値・金銭の授受を介する有償の仕事=「職業」”と
“使用価値の直接交換をおこなう無償の仕事”という2種類の仕事は、
共に分化し、相互浸透しながら展開する。
だから、人として生きるには、
①有償・無償の2種類の仕事を並行し、組み合わせて、
②2つの仕事の組織作り・強化をおこなうこと、
③それらを遂行する能力を磨くとこが、必須になる。』と。
さてこの話 笹川氏の定義で 私が真っ先に思い浮かべるのは 文豪 夏目漱石です。
漱石は、帝国大学を卒業後、高等師範学校の英語教師になるも、
日本人が英文学を学ぶということ、そしてその英語を教えるという自身の「職業」に
対して違和感を覚えながら仕事を続け、ついに精神衰弱になってしまいました。
その漱石を救ったのが 彼が「無償の仕事」として続けていた俳句や文章を書くことでした。
彼が「ホトトギス」に投稿した処女作『吾輩は猫である』が大ヒットして、
「有償の仕事」と「無償の仕事」が入れ替わったのです。
それは漱石49歳の生涯を閉じる10年前、39才の時でした。
さて最後に、「仕事の定義」の実践編です。 「無償の仕事」 ぜひ検討してみて下さい。
きっと 「生きている実感」が得られ、「自己家畜化からの脱皮」を促します。
「仕事」=「現在生活を支えている有償の仕事」
+「アフター5や週末を使って 経験を得るために行う無償の仕事」
+「アフター5や週末を使って 得意な分野の磨きを深めるために行う 副業のお助けコンサルティング」
+「アフター5や週末を使って 興味ある分野の学びを深めるために行う 無償のデジタル出版」
どうでしょうか?