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2017年3 月30日

NO.210-1(メインコラム)モデリングは最強の学習法

私は入社したトヨタ自動車の新入社員研修で、

「トヨタ自動車は、その揺籃(ようらん)期にフォードを徹底的にモデリングして、世界的企業に成長する礎を得た」ことを知りました。

これが私とモデリングという言葉との出会いです。

 

ちなみに、ウイキペディアでは、「モデリング」を次のように説明しています。

『モデリング(: Modelling)は、心理学用語のひとつ。何かしらの対象物を見本(モデル)に、そのものの動作行動を見て、同じような動作や行動をするのがモデリングである。人間(主に子供)の成長過程では、モデリングにより学習・成長するとされている。思春期から大人にかけての時期では、憧れの意識から、対象の人物に少しでも近づきたいという心理が発することがある。また、芸能人ファンが、その対象人物のファッション仕草などを真似るのは、モデリングのひとつである。』

 

また、教育論の教科書は、「モデリング」を次のように説明しています。

『技能(スキル)学習のステップは、一般的に「見本を見せる(モデリング)→それを試行させる→試行の結果をフィードバックする→練習させ、勇気づける→成果を評価する」というプロセスをとる。その中で、見本を見せること(モデリング)による学習は特に重要である。』

 

さて、今回「モデリング」をテーマとして取り上げたのは、

私の「モデリング」に関する問題意識からです。

・実は、意外と多くの方々が、学習法としての『モデリングの凄さ』に気が付かぬまま、他の学習法(例えば自己流など)を選択しています。

・また、意外と多くの方々が、守破離の“守”を無視して 次のステップの“破る”“離れる”を実施しています。

 

そこで、研修などでモデリングについて(分かり易く「猿マネする」と言い換えて)お話をしています。

 

【モデリング(マネする)の仕方】

自分の能力を過信せず、見栄を捨てて、自分の欲する結果を明確にした上で、

自分の欲する結果を既に得ている人・対象(モデル)を自分の人生を掛けて探し出す

モデルを身近で観察するために、モデルの生徒か弟子かパートナーか知り合いになる。

・モデルのやっている、やり方、行動、考え方、思考法をじっくり観察して

 100%猿マネで技能、智慧、スキル、考え方、経験を身に付ける(モデリング)。

 

要は初めから「自分らしさ」にこだわらないということです。

初めから「自分らしくないとダメだ」などと難しいことを考えないことです。

まずは、お手本を見つけて、お手本を猿マネして、必要なスキル、必要な能力を身に付けてしまう。

「自分らしさ」は次のステップです。

我流でああでもないこうでもないと迷っていると、いつまでたっても身に付かないまま

アッという間に老いてしまいます。

 

おわりに

自分の欲する結果を得るためのモデリング」は、

犯罪にも影響を与えてきたことを 実例で紹介します。

 

【モデリングの連鎖】

1960年4月12日

フランス自動車王プジョーの孫エリック坊やが誘拐される。

(エリック坊やは無傷で救出される)

1960年5月16日

世田谷区で雅樹ちゃん(6才)誘拐殺人事件が起きる

(犯人の本山は4/14付の新聞で見た「エリック坊や誘拐事件」をヒントに誘拐を計画する)

1963年3月1日

映画「天国と地獄」(監督:黒澤明)封切される

(映画監督の黒澤は「雅樹ちゃん誘拐事件」をヒントに映画「天国と地獄」を作成する)

1963年3月31日

台東区で吉展ちゃん(4才)誘拐殺人事件が起きる

(犯人の小原は映画館で見た「天国と地獄」の予告編をヒントに誘拐を計画する)

 

以上

2017年3 月 1日

NO.209-1(メインコラム)警告音は鳴っていませんでしたか?

私は持ち物に対するこだわりが無い方なのですが、手帳だけはこだわりがありまして、

「書き込みスペースが多い点が気に入り」10年前からずっと変わらずダイゴー製の商品番号E1042

(B5判 257×182mm)を使っています。

 

毎年12月になると「今年の手帳」から「次の年の手帳」切り替えるのですが、

切り替える際、新しい手帳に「書き移すメッセージ」が2つあります。

 

1つは、

『経営の中でもっとも深刻な問題は「人の短期指向・局所指向の強さ」 にある。

本質的な問題に手をつけず、数値化し易い 短期的・局所的指標で経営状況を判断して、

部下を叱咤しても、成果に結びつかない。』

 

もう1つは、

『経営に使える指標は3つ

1つ目は「社員のやる気

2つ目は「顧客・取引先の評価

3つ目は「キャッシュフロー

この3つの指標が、「上向き」なのか「下向き」なのか「横這い」なのか

定期的にチェックして早めに手を打つ。』

 

以上2つのメッセージです。

 

この2つのメッセージが私の仕事を支えています。

 

この2つのメッセージを

いま旬な話題、東芝のガバナンスの問題に照らして一緒に考えたいと思います。

直近の新聞記事のタイトルを見ますと、

「東芝が債務超過の危機」「東芝、自己資本増強に向けて時間との戦い」など、

東芝の経営が抜き差しならぬ状況にあることを伝えています。

 

各紙の記事を総合すると、

ことが表面化したのは、

2015年に内部告発により初めて発覚した「不正経理処理」に端を発しているとのこと。

ことの原因は、

歴代3社長が、08年9月のリーマン・ショック後に起きた世界的な景気後退や、

社運を賭けて買収したWEの業績が11年3月の東電福島原発の事故を受けて劇的に悪化する中、

「チャレンジ」と称して、各事業部門に利益の上積みや損失の圧縮を厳しく求めたことによるとのこと。

 

そのチャレンジの中身は、

①パソコン事業における「買戻しを前提とした取引先への部品の高値押込み販売

②半導体事業における「在庫の評価損の未計上

③インフラ事業における「工事進行基準に基づく損失引当金の未計上

④映像事業における「取引先に対する請求書発行の先送り要請

とのこと。

 

渦中にいた社員のモチベーションは、

・西田さん(当時の社長)の発言「利益は言われた通りに数字をつけておけばいいんだ」

が組織の末端まで浸透した(Aさん)。

・私も「こんなことでいいのか」とずっと思っていたが、

自分1人が発言すればどうかなるというレベルの話ではなかった(Bさん)。

・私も一介のサラリーマン。上司に逆らってまで言えない組織風土になっていた(Cさん)。

とのこと。

 

以上の情報を、3つの経営指標に照らし合わせて東芝の経営状態を診てみましょう。

こんな感じでしょうか?

東芝は

①上司に“逆らえない”“物言えない”組織の中で、社員のやる気がどんどん損なわれ、

②自分達の都合で取引先に余計な負担を強いて、取引先の評価がどんどん損なわれ、

③「選択と集中」に踊らされた経営者が、体力を超えた巨額の「投資キャッシュフロー」を決定していた。

 

きっと早い段階から、

3つの経営指標は、警告音を出していたはずです。

 

シンクレイト(降下率)    シンクレイト(降下率)

 

ウープ・ウープ  プルアップ(引き上げろ)  プルアップ(引き上げろ)

 

ウープ・ウープ  プルアップ(引き上げろ)  プルアップ(引き上げろ)

 

1つ目は「社員のやる気」・・・・

2つ目は「顧客・取引先の評価」・・・・

3つ目は「キャッシュフロー」・・・・

 

激突音

 

ボイスレコーダー終了

 

警告音は鳴っていませんでしたか?