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2017年3 月 1日

NO.209-1(メインコラム)警告音は鳴っていませんでしたか?

私は持ち物に対するこだわりが無い方なのですが、手帳だけはこだわりがありまして、

「書き込みスペースが多い点が気に入り」10年前からずっと変わらずダイゴー製の商品番号E1042

(B5判 257×182mm)を使っています。

 

毎年12月になると「今年の手帳」から「次の年の手帳」切り替えるのですが、

切り替える際、新しい手帳に「書き移すメッセージ」が2つあります。

 

1つは、

『経営の中でもっとも深刻な問題は「人の短期指向・局所指向の強さ」 にある。

本質的な問題に手をつけず、数値化し易い 短期的・局所的指標で経営状況を判断して、

部下を叱咤しても、成果に結びつかない。』

 

もう1つは、

『経営に使える指標は3つ

1つ目は「社員のやる気

2つ目は「顧客・取引先の評価

3つ目は「キャッシュフロー

この3つの指標が、「上向き」なのか「下向き」なのか「横這い」なのか

定期的にチェックして早めに手を打つ。』

 

以上2つのメッセージです。

 

この2つのメッセージが私の仕事を支えています。

 

この2つのメッセージを

いま旬な話題、東芝のガバナンスの問題に照らして一緒に考えたいと思います。

直近の新聞記事のタイトルを見ますと、

「東芝が債務超過の危機」「東芝、自己資本増強に向けて時間との戦い」など、

東芝の経営が抜き差しならぬ状況にあることを伝えています。

 

各紙の記事を総合すると、

ことが表面化したのは、

2015年に内部告発により初めて発覚した「不正経理処理」に端を発しているとのこと。

ことの原因は、

歴代3社長が、08年9月のリーマン・ショック後に起きた世界的な景気後退や、

社運を賭けて買収したWEの業績が11年3月の東電福島原発の事故を受けて劇的に悪化する中、

「チャレンジ」と称して、各事業部門に利益の上積みや損失の圧縮を厳しく求めたことによるとのこと。

 

そのチャレンジの中身は、

①パソコン事業における「買戻しを前提とした取引先への部品の高値押込み販売

②半導体事業における「在庫の評価損の未計上

③インフラ事業における「工事進行基準に基づく損失引当金の未計上

④映像事業における「取引先に対する請求書発行の先送り要請

とのこと。

 

渦中にいた社員のモチベーションは、

・西田さん(当時の社長)の発言「利益は言われた通りに数字をつけておけばいいんだ」

が組織の末端まで浸透した(Aさん)。

・私も「こんなことでいいのか」とずっと思っていたが、

自分1人が発言すればどうかなるというレベルの話ではなかった(Bさん)。

・私も一介のサラリーマン。上司に逆らってまで言えない組織風土になっていた(Cさん)。

とのこと。

 

以上の情報を、3つの経営指標に照らし合わせて東芝の経営状態を診てみましょう。

こんな感じでしょうか?

東芝は

①上司に“逆らえない”“物言えない”組織の中で、社員のやる気がどんどん損なわれ、

②自分達の都合で取引先に余計な負担を強いて、取引先の評価がどんどん損なわれ、

③「選択と集中」に踊らされた経営者が、体力を超えた巨額の「投資キャッシュフロー」を決定していた。

 

きっと早い段階から、

3つの経営指標は、警告音を出していたはずです。

 

シンクレイト(降下率)    シンクレイト(降下率)

 

ウープ・ウープ  プルアップ(引き上げろ)  プルアップ(引き上げろ)

 

ウープ・ウープ  プルアップ(引き上げろ)  プルアップ(引き上げろ)

 

1つ目は「社員のやる気」・・・・

2つ目は「顧客・取引先の評価」・・・・

3つ目は「キャッシュフロー」・・・・

 

激突音

 

ボイスレコーダー終了

 

警告音は鳴っていませんでしたか?

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