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2010年6 月18日

NO.17-3(NO.17-1関連その2)コミュニケーション・スキル

今回、(17-1のメインコラム)の関連資料としてご紹介するのは、私の友人の小林一郎さんの著書「英語のできない人は仕事ができる」です。

小林氏は本のタイトルにあえて逆説的な表現を使って、読者に 「グローバル人材としてビジネスで活躍していくためには、語学以前に、スキル(Skill)があっ て、クリエイティブ(Creative)で、人の役に立てる(Useful)ことが大切である」ことを伝ようとし ています。


著者のグローバルビジネスの豊富な経験に裏打ちされた示唆に富む1冊です。

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「英語のできない人は仕事ができる」(小林 一郎 著)


☑私が本書を通じて伝えたいメッセージは、英語は三種の神器の1つだと思うのは大きな誤解であり、英語ができなくたって心配ない・・・・ということです。本当に仕事で活かせる英語力について、かなり勘違いして理解している人々が多いと思います。自分を磨いて仕事で活躍していくためには、もっと他に重要なスキルはたくさんあります。


☑とりわけ私が重要だと思っているのが、話す手段としての語学のスキル以上に、話すべき内容をどれだけ身に付け、どういう姿勢でその言語と向き合っているかということです。表面的な語学力以上にキーファクターとなるのは、(1)ダイバーシティ(多様性)⇒自分の価値を押しつけない仕事と、(2)いい意味での「厚顔」でのコミュニケーション⇒細かなことを気にせず、厚かましいくらいのコミュニケーションです。


☑“使える英語”にするための5つのポイント
(1)アフィニティ:親しくなれば伝わる情報量が変わる。話を面白くする。
(2)厚かましくなる:丁寧に耳を傾けるフリをする。リアクションをオーバー気味に。
(3)洞察力で本質に迫る:物事が持つダークサイドまで見抜く力、洞察力、包容力。
(4)情熱を失わない:友人になる。受け入れる力や感じる力。
(5)フレキシブルな大人の関係:合理主義(ルール)と情熱の両方を柔軟に使う。


☑本当の意味で世界と戦うための英語を身につける
①怯えるな、黙り込むな
②最初に自分を印象づける
③いちいち謝らない
④アサーティブ・コミュニケーションを心がける
⑤英語はキャリアパスという認識を捨てる
⑥自分のペースでコミュニケーションする
⑦自分の土俵に相手を引き込む
⑧長続きする語学環境を整備する


グローバル人材としてビジネスで活躍していくためには、スキル(Skill)があって、 クリエイティブ(Creative)で、人の役に立てる(Useful)ことが大切です。感受性や人 間性を磨き、カルチャーとしての英語を話せるようになって、初めて人の役に立てるよう になります。したがってテクニックとしての英語を学ぶよりも、少し遠回りに見えるかも しれませんが、ドストエフスキーやシェークスピアを読んで感性を磨いたほうが、若い人 たちにとってはよっぽど重要です。


2010年6 月16日

NO.17-2(NO.17-1関連その1)コミュニケーション・スキル

今回は、「17-1(メインコラム)の関連その1」として、ご紹介するのは、「エリートの条件」(河添 恵子 著)です。

河添さんは、世界の教育現場を観察する中から「人の先に立つ人に求められる資質」を探っています。

「日本の教育課題」を一緒に考えてみませんか?

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「エリートの条件」(河添 恵子 著)


☑「教育と治安はお金で買う」というアメリカで、一部の特権階級、セレブ家庭の子女はプレスクールから始まる名門私立小学校→中高一貫のプレップ・スクール、そして名門私立大学→名門私立大学院というコースを歩む。このスーパーエリート養成校の教育の根幹は、自主性、自立心、独創性、奉仕の精神、リーダーシップを養うこと。これはイギリスの伝統的なパブリック・スクール、スイスのインターナショナル・スクールも同様だ。


☑アメリカにおいてのリーダーシップ、リーダー力はスピーチ力といえそうだ。オバマ大統領は、このスピーチの基本をマスターし体得し、それを抜群のセンスでメディアを通じて披露した。頭脳明晰であることはもちろん、人格に優れ、魅力的なキャラクターで、奉仕の精神や倫理観があり・・・・そして周囲を感動させ、ビジョンを示し前向きに奮い立たせるスピーチ力を備えたリーダー。これこそが世界のトップ、スーパーエリートの条件といえそうだ。


世界の学校教育は、コミュニケーション全般を大変に重視し、さまざまな方法で早くからそのスキルアップを図っている。“エリートの条件”としてはもちろんだが、それ以前に、現在そして将来のアナタの幸せのため、社会のため、国のため、世界平和のために必要と考えられているからだ。


☑“エリート”という言葉を生んだフランスでは、グランゼコールで学ぶごく一握りのスーパーエリートたちが現代版のノーブレス・オブリージェを叩き込まれる。寄宿舎生活を通じて、激しい競争に晒されながら専門分野を極め、実践力も備え、と同時に階級意識や連帯感を強め、哲学、倫理、道徳、雄弁術なども身に付けていく。新興国のインドも国家戦略のなかに教育を位置付け、世界に通用する人材―エリートの育成を掲げ、民族的特徴を踏まえた教育方針で結果を出し続けてきた。美しい英語が、新たな“カースト”にもなった。経済格差が大きいだけに、名門校で学ぶ子どもたちは、「Service Before Self(奉仕の心)」をモットーに、「恵まれた学習環境で得た知識や技術を、将来、社会の役に立つために使っていく」という指導を受けていた。


☑世界は日本ほど恵まれた環境ばかりではない。したたかさ、タフネスを身に付けた“雑草系エリート”だってたくさんいる。さまざまな事情で国を離れ、言語も文化も異なる異国の地で成長する子どもも大勢いる。中国系にしても、バイリンガルとタフネスを武器に、世界で中枢に食い込んでいる。このタフネス(=折れない心)と高いレベルのコミュニケーション・スキルを備えた人間こそが、グローバル社会のなかで輝く人材であり、リーダーであり、本物のエリートではないだろうか。


2010年6 月14日

NO.17-1(メインコラム)コミュニケーション・スキル

“コミュニケーション・スキル”。
 

家庭の一員としても、ビジネス・パーソンとしても、今一番求められる能力です。


では、“コミュニケーション・スキル”って? 一言で云うと何ですか?
十人十色の答えが返ってくると思いますが、 私は、コミュニケーション・スキルを、「相手に喋らせるスキル」「相手の力を引き出すスキル」と定義しています。

 

そして、私は、常日頃から次のように説いています。 「コニュニケーション・スキルが身に付いていない人を部課長に推挙してはいけない」と。 なぜって。そういう人は、必ず「ピーターの法則」に嵌まるからです。
 

しかしながら「自分の話しを相手に聞かせ説得しようとする」姿勢が染み付いている私たち。
そんな私たちがコミュニケーション・スキルを身に付けるには、大変な困難が伴います。 「相手が話しをしている最中に、次に自分が何を話そうか考えている」。
 

まず、そのクセを見直すころから始めてみましょう。
 

芸人の「明石家さんま」。
 

彼は“口の先から生まれてきた人間”かのように見えますが、実は、相手に喋らせて相手を乗せて番組を盛り上げています
 

例えば先日の番組では、こんな感じでした。
「寝ようとした時ベッドの横に立っている“おばけ”を見た」というゲスト(女性タレント)の話を聞いた「さんま」は、
 

・さんま:相槌・復唱する「へぇ~。 そうかぁ~、オマエ“おばけ”見たんかぁ~」

・ゲスト:“おばけ”を見た時の状況を気分よく話し出す

・さんま:共感または感想を伝える「それほんまかぁ~。オマエあほちゃうかぁ~」

・ゲスト:必死に言い訳を話し出す。

・さんま:質問する「そんで、オマエ、その時、1人だったんか?」
 

「さんま」は短く研ぎ澄まされた言葉で、ゲストの女性タレントをヒーロー・スポットに立たせているのです。
 

相手に喋らせるスキル」「相手の力を引き出すスキル」が相手との意思疎通を促進させ、相手の動機付けを促進させます。
単一民族、同質的社会の中で永らく生きてきた私たち。この能力に無頓着です。
これは私の現場実感です。


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Kimo

 

コミュニケーション・スキルとは、「相手に喋らせるスキル」「相手の力を引き出すスキル」!!



2010年6 月11日

NO.16-3(NO.16-1関連その2)グローバル時代の覚悟

今回、(16-1のメインコラム)の関連資料としてご紹介するのはヴィジャイ・マハジャン著作の「アフリカ 動きだす9億人市場」です。

現在アフリカは、5月10日のNHKクローズアップ現代でも特集された“チーター世代”が次世代リーダーとして活躍を始めています。


中国とインドは、“チーター世代”が活躍するアフリカ市場で次々と布石を打ち、自分達の基盤固めを進めています。


教科書が無くなった私たち日本。うかうかとしてはいられません。

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「アフリカ 動きだす9億人市場」(ヴィジャイ・マハジャン 著)


☑仮にアフリカが1つの国だとすると、2006年の国民総所得は9783億ドルになる。インドを上回り、世界第10位の経済規模だ。BRICsのうち中国以外の三ヶ国(ブラジル、ロシア、インド)を凌いでいる。もちろん、アフリカは1つの国ではない。だが、意外に豊かなのだ。


☑中国の対アフリカ貿易額は2000年の約100億ドルから、2006年には550億ドルにまで増えていた。アフリカからの石油輸入量で中国は日本を押しのけ、アメリカに次ぐ二位となったが、アフリカ向けの輸出となると、アメリカをはるかに凌ぐ勢いだ。世界銀行のエコノミストは、中国とインドからの対アフリカ向けの貿易と投資は、「近年の世界経済における発展の、最も顕著な特徴の一つ」と述べている。自国にいくらでも市場機会はあるのに、なぜインドと中国の企業はアフリカに進出するのだろうか。彼らはすでに同じ経験をしてきたからこそ、アフリカにおける機会に気づいているのだ。


☑市場において、特に国際企業が注目するセグメントはAまたはBクラス、別名「アフリカ1」で、最も手取り収入が多く、他の世界市場とのエリート階級に近い行動を取るセグメントだ。このセグメントは、アフリカ全体でもせいぜい5000万から1億5000万人程度(構成比5~15%)にしか満たない。「アフリカ2(3億5000万人~5億人、構成比35~50%)の人々は生活水準をより良くしようという願望が強く、上方移動しつつある。子供に教育を受けさせ、消費財を購入する将来のエリート予備軍だ。極端に言えば彼らはアフリカ市場の未来なのだ。


☑数々の障害のため、アフリカにおけるインターネットの普及率はいまだ低く、2007年12月時点で5%未満だ(利用者数にして4400万人)。これはインドの6000万人や中国の2億1000万人に比べればかなり少ないが、韓国の3400万人よりは多く、シンガポールの20倍近い。


☑若きアフリカ人たちは彼らの親世代とは異なり、欧米の同世代ともまた異なる。ガーナ人経済学者ジョージ・アイッティはこうした若者たちを「チーター世代」と名づけた。理由は、権力こそまだ握っているものの過去にとらわれてしまっている「カバ世代」と呼ばれているグループよりも、若者世代のほうが速く動けるからだ。カバたちはいまだに植民地主義や帝国主義を批判しているが、足の速いチーターたちは民主主義と透明性、汚職の根絶などを求めている。アイッティは、アフリカの将来は「チーターたちが担っている」と言う。チーター世代は政治改革と経済促進の原動力であるのみならず、アフリカにおける消費者市場の未来を再定義する世代でもあるのだ。


2010年6 月 9日

NO.16-2(NO.16-1関連その1)グローバル時代の覚悟

今回は、「16-1(メインコラム)の関連その1」として、日本でもファンの多い国際経済学者のポール・クルーグマン(2008年のノーベル経済学賞受賞)の著書をご紹介します。

クルーグマン氏は、彼独自の視座から「第三世界の躍進は、先進国の脅威とはならない」と述べています。

氏の視座は、「新興国企業VS先進国企業」「新興国企業の脅威」「新興国をいかに獲り込むか」などの論とは一線を画し異彩を放っています。

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「クルーグマンの視座」(ポール・クルーグマン 著)  


(1)アメリカ経済に奇跡は起こらない

☑ニューパラダイム説の要点は、デジタル技術の出現や国際貿易、投資の増加によって、経済ゲームのルールが本質的に変わったという主張にある。また、急激な技術革新によって経済はこれまでよりはるかに早く成長することができ、かつグローバルな競争があれば、経済が過熱しても高いインフレを起こすことはないと主張する。


☑1970年代前半以降、アメリカの労働者の生産性の上昇率は年平均で1%程度であり、1950年代、60年代の年率3%に比べてはるかに低い。しかし、ビジネス界の多くのリーダーたちは、この公式統計を信じがたい思いで見ている。ビジネスに多大な影響を与えたデジタル革命が、もっと目に見えて良い結果を出さないのはおかしいと言うのである。


☑ニューパラダイムを支持する根拠のもう一つは、失業率が低くても、新たなグローバル競争にさらされる結果、需要の拡大がインフレにつながらないという主張である。しかし、このようなグローバルな競争は主として製造業で起こっており、サービス業中心のアメリカ経済では、ニューパラダイム派が主張するグローバルな競争に関係ある雇用と付加価値は、実際には全体の25%未満、おそらく15%以下である。


(2)企業の論理で国民経済を考えてはならない


☑ビジネスの実務家と経済学者とでは人種が異なる。それでは、なぜいまそれを問題とするのか。個人として巨富を築いた人には国民全体をも豊かにする能力があると思い込む人が多いからである。そういった人たちはとんでもないアドバイスをすることが多い。


☑経営戦略と経済政策の根本的な違いは、最も巨大な企業ですらオープン・システム(開放系)であるのに対して、国際貿易がここまで盛んになってもなお、アメリカ経済自体はほとんどクローズド・システム(閉鎖系)だということだ。ビジネス階層にとって経済分析がむずかしいのは、クローズド・システムの理論で考えるのに慣れていないからである。


(3)第三世界は第一世界の脅威ではない


☑第三世界の競争力が先進国の生活水準を脅かすという考え方は、あまりに単純すぎはしないだろうか。世界的な生産性が高くなると(第三世界が第一世界の生産性に追いついた場合がそうだが)、世界的な平均生活水準も高くなるはずである。つまるところ、増えた産出物はどこかへ行かなければならない。このことからも、第三世界の生産性の向上は、第一世界の所得の低下となって表れるのではなく、第三世界の賃金の上昇となって表れると考えられる。


☑世界ではいまや広範囲な経済開発が始まろうとしており、何億、いや何十億という人々の生活向上が期待できるのである。第三世界の経済成長はそのための機会であって、脅威ではない。世界経済にとって本当に危険なのは、我々が第三世界の成功を恐れることである。