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2013年4 月13日

NO.145-1(メインコラム)人事評価制度(Ⅰ)

今回から3回シリーズで、古今東西 人類永遠のテーマ、矛盾と苦悩と勘違いに満ちた「人事評価制度」について考えてみたいと思います。

 

今回はその第1回目として、「人事評価制度」の生い立ちも含めて簡単におさらいをします。

 

まず人事評価制度の評価技法について、

人事評価の技法は、評定尺度法、チェックリスト法、序列法などいくつかありますが、その中で一番 ポピュラーなのは皆さんお馴染みの評定尺度法です。

評定尺度法は、「極めて高いレベル」から「極めて低いレベル」までの尺度を用いて主に「保有する能力」を評価する技法で、現在 日本の多くの企業や官庁で利用しています。

この評定尺度法の生い立ちは、戦後、日本の人事院が、アメリカ連邦公務員の勤務評定制度を取り入れたのが始まりですが、その後本家のアメリカ連邦公務員の制度は、 「評定尺度法は、評価基準が抽象的で曖昧となり、評価者の主観と恣意性が入りこみやすいため、評価結果に被評価者が不満を表明した場合、それを納得させることが困難である」との理由により、「チェックリスト法」(望ましい、あるいは望ましくない職務行動を文章化し、選択させる方法)を加味した技法に改正しました。

 

このチェックリスト法の1つとして、ハーバード大学のマクレランド教授らがアメリカの国防省の外交官向けに開発した、ハイパフォーマの「意図ある行動」を評価する技法、コンピテンシー制度があります。

日本でも2000年以降、評定尺度法の行き詰まり感から、コンサルタント会社の薦めに従って導入する企業が増えてきました。

導入した企業ではいきおい行動要件の具体性を重視するあまり「行動要件が精細になりすぎ、結果 活用しにくなる」という新たな問題が起こりましたが、最近ではその揺り戻しで抽象度の高いものに修正する企業が増えてきています。

一方、評定尺度法の方もコンピテンシーの影響を受け、最近では評価要素に「~している。」「~する。」などの表現を使い「行動評価的」要素が加わってきました。

 

次に人事制度の評価方法について、

人事評価の方法には、「絶対評価」と「相対評価」があります。

現在、日本の多くの企業や官庁では予算枠遵守のため、「相対評価」を採用しています。

1次評価の時点で「絶対評価」を採用している組織でも、最終評価では「相対評価」で調整を行っています。

この「相対評価」が引き起こす最大の問題は何でしょうか?

それは2次評価以降の「相対評価」による「調整」」の結果により、1次評価者と被評価者との間で握った評価根拠の論理性が失われることです。

その結果 被評価者から不満が出た場合、その解消が難しくなります。

ちなみに米国連邦公務員の勤務評定制度は、78年の公務改革法にもとづき、「相対評価により人間の能力を“無理やり”分布に当てはめる分布制限は、不合理かつ不公平である」との理由により「相対評価」が廃止されました。

 

ではここで問題です。

ある会社の「フィードバック場面」をイメージして下さい。

 

課長が課員のA君に1次面談をしています。

 

A君自身は下記2つの評価項目で

判断力: 極めて高いレベル(5・4・3・2・1)極めて低いレベル

創造力: 極めて高いレベル(5・4・3・2・1)極めて低いレベル

2つとも「5」を付けました。

 

課長との1次面談の結果、 A君は、来月二人目の子どもが生まれる中、来年はなんとしても現状+αの給料額を確保したいとの思いから粘って課長に反論しましたが 最後はこれ以上言い争っても詮無いことだと諦め 不承不承ながら2項目ともに「4」で了承しました。

 

ところがその後の全社での「相対調整」の結果 A君の最終評価は2項目とも「3」で決定しました。

 

さて、アナタがこの課長の立場だったらA君とのフィードバック面接に どのような考え方で臨みますか?

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