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2013年9 月15日

NO.161-1(メインコラム)TEDスピーチを超えて

今回のテーマは 「TEDスピーチを超えて」 です。

 

宮沢賢治の「風の又三郎」の冒頭部分をご紹介します。

 

どっどどどどうど どどうど どどう、

青いくるみも吹きとばせ

すっぱいかりんもふきとばせ  

どっどどどどうど どどうど どどう

谷川の岸に小さな学校がありました。

教室はたった一つでしたが生徒は三年生がないだけであとは一年から六年までみんなありました。

運動場もテニスコートのくらいでしたがすぐうしろは栗の木のあるきれいな草の山でしたし運動場の隅にはごぼごぼつめたい水を噴く岩穴もあったのです。 

さわやかな九月一日の朝でした。

青ぞらで風がどうと鳴り 日光は運動場いっぱいでした。

黒い雪袴をはいた二人の一年生の子がどてをまわって運動場にはいって来て、まだほかに誰も来ていないのを見て「ほう、おら一等だぞ。一等だぞ。」とかわるがわる叫びながら大悦びで門をはいって来たのでしたが、ちょっと教室の中を見ますと、二人ともまるでびっくりして棒立ちになり、それから顔を見合せてぶるぶるふるえました

がひとりはとうとう泣き出してしまいました

というわけは そのしんとした朝の教室のなかにどこから来たのか まるで顔も知らないおかしな赤い髪の子供がひとり一番前の机にちゃんと座っていたのです。

 

以上 冒頭の、風の又三郎が登場する場面です。

 

どうです? まるで自分の目の前の出来事かと、錯覚してしまうような迫力満点の冒頭シーンです。

 

私は 「風の又三郎」の朗読を練習することが、スピーチ上達の一番の方法だと考えていまして、

トーストマスターズ(スピーチを訓練するクラブ)の仲間達に次のアドバイスをしています。

【五感に訴える朗読のポイント】

①自分が自然と、風の又三郎と一体となった感覚を伝える「声色」「テンポ」「「身体の表現」、

②自分が子供と一体となった感覚を伝える「声色」「顔の表情」、

 

これらを「語り」とシンクロさせて、聞き手の五感にいきいきと訴えかけるのです。

すると、聞き手の魂が呼び覚まされ、その聞き手のエネルギーが語り手にフィードバックされ、場に一体感が醸成されます。

その状態を目標に練習して下さい。と。

 

皆さんの中で スピーチの訓練方法を模索している方がいましたら、 是非「風の又三郎」の朗読を試して下さい。

スピーチのテクニックを学ぶ教材として「TEDスピーチ」はお薦めですが、

スピーチの実践を学ぶ教材としては「風の又三郎」が一番です。

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